So-net無料ブログ作成
  • ブログをはじめる
  • ログイン

電池容量の勘違い(鉛系) [電子工作一般]

アマチュア無線の移動運用には、鉛バッテリーが良く使われます。
安価で大容量だからですね。

しかし、この容量の読み方を勘違いしている方が思いのほか多いのです。

一番良く使われているのが、12V・7.2Ahのバッテリーでしょう。
このバッテリー、容量の7.2Ahという数字から、「7.2A連続で1時間使える」と思っていませんか?
実は、これは間違いです。

GS Yuasaのデータシートを見ると、この容量は20時間率で計算した容量とかかれています。
「20時間率」とは何でしょうか?

満充電のバッテリーを一定のある電流で使用すると、20時間使えた。
逆算すると、7.2Ahだった。

と、言う事です。
つまり、7.2Aの1/20の電流(360mA)で20時間持つという事です。

さて、ここからが重要なお話。
鉛バッテリーは放電レート(放電電流)が高いほど実容量は少なくなります。同じようにデータシートを見てみると、1C(7.2A)で放電させると、0.7時間で終止電圧に達しています。つまり、容量7.2Ahの数字の7.2Aで使うと、7割程度の容量になってしまうわけです。5Ah程度ですね。
※この例はかなり高性能なものです。1Cでは5割になってしまうものが多いです。

鉛バッテリーの容量表示には、その種類や用途によって、5時間率と20時間率で規定しているものが多いです。たまに10時間率というのも見かけますが少ないです。

NiMHやLi-ionは比較的こういった容量低減が少ないので、1C程度ならほぼ見たとおりの容量が出ます。
また、鉛バッテリーは使用時に電圧低下が大きいので、割と早く12Vを維持できなくなります。0.2C未満の放電レートでの放電終止電圧は10.5Vです。1Cでは電圧降下が大きいので、端子電圧で9.5Vまで許されます。ここまで使って空となりますから、12Vぎりぎりで動くようなアンプ等は短時間で出力低下を経験するでしょう。

もう1つ。
安価に手に入る鉛バッテリーには、自動車用がメジャーです。
液がこぼれると大変な事になるのですが、それ以外にも使いにくい点があります。
まず、この自動車用バッテリーはエンジン始動用だということ。エンジンをかける瞬間だけドカンと電力を使い、エンジンがかかったらすぐに充電して満充電に戻す、このような使い方をします。すなわち、浅い放電と充電を繰り返す用途です。
これを他の用途に転用して、深い充放電(満タンから空までの繰り返し)をすると、寿命が極端に短くなります。また、電圧変動も大きい(送信すると一気に電圧が下がる)ので使いにくいです。また、自動車用は走行の振動や揺れで極板がリフレッシュされる事を期待しているようで、静置状態で使い続けるとすぐに駄目になります。以前、ソーラー発電の蓄電に使用してみたのですが、すぐに容量低下してしまいました。
本格的に移動運用等に使用するのであれば、自動車用は避けたほうが良いです。通信機器用のシールドバッテリーや、元から深放電を考慮したディープサイクルバッテリーを使いましょう。高いだけのことはあります。


※1Cという単位について
公称容量の数字を基にした放電・充電の電流を表現するときに使用する単位です。
たとえば7.2Ahのバッテリーを標準充電するときは初期電流0.25Cで10時間という使い方をしていて、これは7.2A×0.25=1.8Aで電流リミットをして10時間充電するという意味です。同様に放電も同じで、1C放電といったら負荷に7.2Aの電流を流すという意味です。


nice!(1)  コメント(8) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 8

nao

なるほど・・・。恥ずかしながら僕も勘違い(思い込み?)してました。無線用のバッテリーはディープサイクルを使ってます。
by nao (2012-03-04 07:52) 

まっちばこ

いつもながらバッテリーのお話はとても勉強になります。
by まっちばこ (2012-03-04 09:23) 

BJB/ひがし

少なくなった容量分のエネルギーは,やはり熱になってバッテリーが暖かくなるということでしょうか.
by BJB/ひがし (2012-03-04 09:43) 

sawada

細かいところまではわかりませんが、内部損失と思ってよいと思います。
化学反応なので、反応が追いつかなくなるとか、分解が間に合わないとか、そういう状態で不完全な状況が生まれることもあるんじゃないかと思ってます。

by sawada (2012-03-04 10:08) 

BAT

12V・7.2Ahのバッテリー
同じ仕様のものがネットオークションに出ていたので買おうかなと思っていましたが、止めました。
by BAT (2012-03-09 09:34) 

JP3OUG 西垣

初めまして。古い記事へのコメント、申し訳ありません。僕は、普段の移動運用はQRPで、シールドバッテリーを使っています。12V 5Ahの、小さなものです。満充電の時は12.5Vくらいなのですが、送信を始めると11.9Vくらいまで下がります。これは正常な動作なのでしょうか?また、何Vくらいになるまで使えるのでしょうか?
by JP3OUG 西垣 (2018-11-18 15:45) 

sawada

>西垣さん

書かれている電圧がバッテリーの端子部分での電圧だとします。その場合は記事の通り、受信時または電源OFF時に10.5Vになったら終了です。速やかに運用を終了しましょう。

もしFT-817等の画面に出ている電圧表示であれば、それは誤差が大きいうえに、電源接続に使っているケーブルの太さにも左右されます。細いケーブルではその部分で電圧が落ちますから、バッテリー電圧が低く見えます。送信時に低くなるのはそれが1つの原因です。もう一つRIG内部の配線で電圧が落ちて表示が低下するのもあります。つまり、RIGに表示されている電圧はあくまでも目安にしかなりません。シールドバッテリーではなく安定化電源で使用したときと挙動を比べてみましょう。

シールドバッテリーをぎりぎりまで使い切りたいというのであれば、バッテリーそのものの電圧をテスター等で測りましょう。また、シールドバッテリーは過放電すると痛みますので、程々でやめてすぐに充電してあげるのが長く使うコツです。


by sawada (2018-11-22 21:14) 

JP3OUG 西垣

ご丁寧にありがとうございました。とりあえず、ケーブルを太く短くしてみようと思います!
by JP3OUG 西垣 (2018-11-23 13:21) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。