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中華デジタルアンプ SMSL SA-50の改造 [AV]

SA-50.PNG
SMSL SA-50 50W+50W デジタルアンプ(手のひらに乗る超小型です)

改造とは言っても、あっちこっちのWebで見かける音質向上とかではありません。
音質関係で見に来てくれた方、ごめんなさい。

行った改造は、電源電圧範囲を広げる事です。
このアンプは最大出力が50W+50Wということもあり、シリーズの他のアンプと違って電源電圧が24Vです。実力的には、16Vを超えないと音が出ません。これを12V程度から動くようにしてみたいというのが今回の改造です。

SA-50に使用されているチップSTMのTDA7492のデータシートを見ると、このICの動作範囲は8~26V(絶対最大は30V)という事がわかりました。ということは、8V程度から動いてもおかしくないのですが、実際は16V程度まで電源電圧を上げないと音が出てきません。

保証を無視して分解。
部品配置と定数からあたりをつけて、各部の電圧をチェックしてわかりました。
やはり、電源電圧でプロテクトをかけていました。

具体的には・・・
まず、電源電圧を抵抗で分圧しています。
この分圧した電圧を3.3VのLDOのINに入れています。
電源電圧24V時にはLDOの入力は7.0Vでした。当然、LDOの出力には3.3Vが出てきます。
このLDOの出力は33Kの抵抗と時定数を作っているCを通って、ICのMUTEとSTBYにそれぞれ繋がっています。このMUTEとSTBY端子は、3.3Vにするとそれぞれ解除されて音が出るようになります。
話は戻って抵抗分割しているところ。ここは5.11Kと5.11Kで分圧しているのですが、LDOの消費電流も加味されて分圧点の電圧は7.0V。電源電圧をどんどん下げていくと、この7.0Vもどんどん下がっていきます。LDOのドロップ電圧は1.3Vtypですので、4.6Vを下回ると出力が3.3Vから下がります。この下がった電圧は実測で2.7VをきるとICは動作を停止するようです。これを使用して電源電圧のプロテクトを掛けているようです。

改造は簡単。分圧抵抗上側の定数を変えてしまえばよいです。ただし、LDOの最大電圧が15Vなので、使用時に15Vを超えない範囲で電圧を上げる必要があります。
ちょうど音量VR近くに実装されていない抵抗があり、これが上側抵抗とパラになっています。ここに半固定VRをつけて検討します。

結果、半固定VRが2.82Kのときに、電源電圧26Vで14.76V(15V以内)になり、同9.5Vで4.6Vとなりました。これで、電源電圧が9.5V~26Vまで動作するようになります。これは理想状態でのセッティングです。ほぼ全ての人が問題なく採用できる数値です。

ところで、LDOのドロップ電圧のばらつき、ICのロジックスレッショルドのばらつきの問題があります。実測ではICのピンが2.78V付近に閾値があったのと、LDOのドロップ電圧が(LDOの負荷が軽いという事もあり)かなり低い状態でした。結局、半固定最大の5Kでほぼ問題ない設定範囲に落ち着きました。手軽にやるには4.7Kの抵抗をノーマウントになっているところに追加してやればよいです。ずらりと並んでいる抵抗の音量VRに一番近いところの空き家部分です。

さて、この改造をすると気になるのが電源ON/OFF時のポップノイズです。へんちくりんなプロテクトとMUTEを兼用した回路なので、この改造をすると時定数が変わってしまう事は十分考えられます。結果はOK。全ての動作域でポップノイズは許容範囲(初期と同じ)となりました。

なぜ12Vで動かせるようにしたかったか。
通常はAC100Vのあるところで使用するのですが、時にACが使えないときがあります。そのときにバッテリーで動かしたいからです。鉛シールドバッテリーを使うと電源電圧は重負荷時のエンプティぎりぎりで9.5Vまで落ちます。ここまではいりませんが、せめて定常状態の12Vバッテリーで安定稼動させたかったのです。
このアンプ、ちょっとしたPAにも使えたらいいなと思って手に入れたので。

最後に注意事項。
この改造を行った場合、一番問題になるのはLDOの入力定格です。これが15Vを超えないようにしなくてはなりません。ICの最大定格は26V(絶対最大は30V)ですのでちょうど良い値になっていますが、24Vの車に載せる場合は、車両の電源は最大28V程度まで上がります。このとき、ICの定格は大丈夫ですが(29VでICがOVPを掛けます)、LDOの定格を超えます。よって、24Vで使用するときはACアダプタや安定化電源を使用しなくてはなりません。
鉛バッテリー2個の24Vのときも、充電直後は電圧が高めですので、電圧が1本あたり13V程度に落ち着いてから使用しないと危ないです。たとえばOPTIMAは電圧が高めなので使わないほうが良いです。普通の鉛バッテリーなら、充電後に落ち着くと生きが良い物で13.2V程度になります。

内部の写真は・・・
ふた閉めちゃったので、今度あけたときにでも。

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安田 信行

・ミューティング電圧の印加抵抗分圧ですが、仕様書を観ていないので確定的ではありませんが、おそらく、電源投入時のポップノイズ防止の為の電源立ち上がり時の時定数とその時の低電圧時にミュートして出力を遮断する目的だと思います。
よって、電源と接続している抵抗値を下げる場合は時定数用のコンデンサの容量も追加して増やす必要が有ります。時定数は2πCRなのでRを半分にしたらCも倍にして下さい。この場合のRは上下の抵抗の並列値です。
また、車載の24V電源や24Vx2直列の場合は定電圧レギュレータIC等を使うと安全で音質も向上すると思われます。 
出力電圧値は22Vから23V程度にして放熱器も付けると良いでしょう。出力には大きめのパスコンを使うとより効果的です。 なお、出力が24V等のACアダプター使う場合も同様です。なお、26V等のACアダプター使って定電圧レギュレータIC等の出力電圧を24Vにすると最大出力を発生できます。出力のパスコンの増強も忘れずにすれば、AC電源のノイズや変動に影響されず音質も向上すると思われます。 
鉛バッテリー直列の24V電源は理想の高音質電源となるでしょう。 マイ電柱以上です。 なお、強力なアース作成も忘れずに・・・
遅ればせながら、私、Sonyのオーディオ開発設計をやっていた技術者です。今は既にリタイアしています。
テープレコーダ設計(1973~75)、PCMプロセッサーの開発設計(1975~1985頃)、CD-ROM開発、ΔΣD/A、ΔΣA/D開発、サンプリングレートコンバータLSI開発、デジタルアンプのタイミングセパレータ(非同期サンプリングコンバータ)などして来ました。 趣味は音楽クラシックからポップスまでとオーディオ工作や薔薇を育てることです。
ほぼ、全てが世界初の試みでした。 

by 安田 信行 (2016-11-27 13:29) 

安田 信行

LDOの入力が定格15Vを超えないようにするだけならば、
LDOの入力端子とGNDの間に12~14V程度の定電圧ダイオードを並列に接続すれば安定化電源IC等は不要です。
音質向上は叶いませんが・・・・なお、ダイオードの極性はGNGに△ LDOの入力端子に ̄を接続して下さい。普通のダイオードと逆に使います。反対に接続するとLDOの入力は1V以下でミューティングされて音は出ません。

ところで、
最後の行 >ほぼ、全て・・・・ は 
       >趣味は音楽・・・ の前になります。
記入 貼り付けの 失敗です。
すみません。  以上です。

by 安田 信行 (2016-11-27 13:51) 

sawada

こんにちは、安田さん。
アドバイスありがとうございます。
嬉し楽しく読ませて頂きました。

もしかして、安田さんは芝浦TECのAU開発にいませんでしたか? お名前に覚えがあるので、面識がある気がします。確か1990年台でしたから20年以上前の話ですが、MD応用開発とかいうプロジェクトでした。
私は今、めぐりめぐって厚木TECにいます。

by sawada (2016-11-27 14:44) 

安田 信行

久しぶりに SA-50 の記事を観たらご返事を発見しました。 直ぐにご返事できなくて申し訳ございませんでした。 
確かにAU開発で当時はSRCのIC開発をしていました。 
澤田様のこと覚えています。 いろいろこだわりのある個性的な方だった記憶です。その節はお付き合いありがとうございました。
実は、2003年に早期退職してしばらくして、パナソニックの開発部長さんで早期退職スピンアウトして設計会社を立ち上げられた大阪の水上さんから、DVD用LSIの開発を手伝って欲しいと依頼が有って、一年半ほど開発設計をしていました。 その後、家内が2013年暮れに54歳で亡くなってしまい子供も独立して遠くと近くに出て行ってしまったので、今は寂しくも自由な一人暮らしです。 十歳年下だったので残念としか云いようがありませんが、運命ですね。
ところで、SMSLのSA-36AとSA-50を2011年頃購入して時々使用していましたが、一年前頃に音質改善をしてみました。
どちらも初期型なので大型のフィルムコンデンサとリード型部品でそれなりの音質でした。 PWM-AMPは電源のインピーダンスが音質に直結するので、電源を強化しました。 内部抵抗が低くて安定していて大きさが適当なルビコン電源電解コンZLH 1000μF/35V(秋月で100円/個)を電源入力端子とPWM-ICの電源に追加しました。 これにより中音や低音の力強さや切れ味が格段に向上しました。(LR独立はパターンやスペースであきらめました。) SA-50は更に電源端子に3300μF/50Vを追加しました。
中高音域やボーカルの立体感や滑らかさや繊細さが今一だったので、更にアナログ5Vの電源をIC外部の電源ICから供給する改造を行って上記不満点が解消しました。 S/N改善などの効果でしょうか。
なお、SA-36AはTripass TA-2020を使っていて、世間の評判は良いようですが、低音など全体の基準がアナログアンプの様にフワフワであやふや良く云えばソフトで私にとってはPWMアンプの長所を損なっているように感じます。
これはおそらくTripassがPWMの基準周波数を変動させてノイズ周波数を分散することで輻射レベルを低下させていることが影響しているのでしょう。
SA-50はST-Microの固定周波数PWMなので安定してしっかりした音質音像になっているようです。 
SA-36AproはST-MicroのICに代っているので良さそうですが、CやR等が面実装に代っているので悪化しているかも知れません。
音質に関してはアナログや真空管のあやふやなソフトな音質が好みな人が今までは多かったので、PWMアンプの音質評価も良い悪いの極端なことになっている様です。 
従来のアナログを聴いていない若い人は純粋に評価している様です。

by 安田 信行 (2018-02-23 16:16) 

安田 信行

SA-50のアナログ電源の供給で説明不足がありましたので補足します。 TDA7492のアナログ電源は内部の定電圧回路から3.3Vが直接内部接続されているので、外部から供給出来ませんが、内部よりも若干高い電圧を供給すると外部電源の電流電圧が支配的になるので内部の接続電流供給は無くなります。 内部電源には逆流しません。なお、以下の改造では最大でもTDA7492の定格3.6V以下の3.5程度になります。 なお、AMS117-3.3の規格グラフではP1の自己電流は55μA程度となっていますが、以下の抵抗値で実測計算した結果では1.8mA程度になりました。なぜ大きな差があるのかは不明です。
SA-50に使われている電源IC: AMS117-3.3の電源基準端子P1とGND間に100or82Ωと100μF並列、出力端子P2とP1間に22KΩを接続して、入力端子P3に別の三端子電源ICかあるいは抵抗分圧基準とTrで構成したリッピルフィルターで5~14.35Vの電圧を加えます。 これで、アダプター電源が9.5V~25Vに対応できます。
by 安田 信行 (2018-02-24 01:00) 

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